「老い」と「死」の研究室
はじめに
Q: 「高齢者」と聞いて、あなたはどんな人をイメージしますか?皆さんは高齢者に対し、このようなネガティブなイメージばかりを持っていませんか?
しかし、「高齢者」にもいろんな人がいます!世間のイメージ通りの人ばかりではありません。
もちろん、高齢になるにつれ、身体・認知機能が低下し、病気や死別と言ったネガティブなライフイベントに遭遇する機会が増えることは確かです。
しかし、高齢者は「衰退するばかり」で「不幸」かというと、そうとは限りません。
今まさに苦しみの中にいる人もいれば、日々を楽しんで生きる人もいます。経験の中で得た知識を生かして生活する人もいれば、身体が思うように動かなくなっても、制限された状況の中で自分なりの楽しみや役割を見つけて日々を過ごしている人もいます。
我々の研究室では、このように幅広い「老い」のあり方や「死」への態度について研究しています。
「老い」や「死」を研究するということ
「老い」や「死」を考えるということは、「人生」を考えるということです。人は誰しも年をとり、やがて「死」に至ります。皆さんも例外ではありません。年を重ね、様々なライフイベントに遭遇する中で、数々の喜びや苦難を経験していくことでしょう。高齢者とは、我々が今後遭遇するであろう多くの出来事を経験してきた、人生の先輩なのです。
したがって、我々の関心は、「高齢である」その時点だけではありません。高齢の方々がそれまでに経験してきた、幼年期、児童期、青年期、成人期も踏まえて研究を進めています。
これから先、様々な出来事を経験していくであろう皆さんにこそ、「老い」や「死」という問題に向き合うことに興味を持って頂ければと願っています。